未だに書いてない2011年、New Decadeの抱負にかえて。
問題意識
自分で小さな会社を持って仕事をすることの良さは比較的自由に時間を作れることだ。
フリーランスを含め、同じような環境に置かれている人が周りにいることが、
昨今のTwitterやFacebookのつながりで分かってきた。
そういう人の、特に開発者の方の仕事のやり方で多いのは受託開発である。
受託と言ってもその度合いによって様々であるが、
大抵いい話を聞かないし、自分もあまりいい印象はない。
象徴的な例は、自分が開発の役割で携わっていた案件で、
企画側に追加や変更要望を出したくても自分の工数が無駄に増えるだけ故、
意見が言えないというケースである。
その他を挙げれば、人月見積も文句を言う対象である。
また、同じ案件に関わっている人でも行程がそれぞれ分離されていて、
他の制作者の方の顔を見ないまま終わってしまうこともしばしばある。
余談だが、これらを含め苦い思いをした経験から、弊社では「完全な」受託開発というのは
一切取らないように最近ではしている。
折角だから自分が気持ちいいと思うこと以外はやらない。
では受託開発以外のやり方はないものか。
いや、ある程度「受託的」であっても構わないが、気持ちよく仕事のできるやり方はないものか。
それを考えている。
さらに欲を言えば、できた物が世の中にない物ならばさらにいい。
今から述べることはこうした問題意識を解決するための仮説であり、
それを今から検証しようとしている。
仲間を集める
去年の10月からのFacebookの流行の兆しで、興味深いの点は、
フリーランスや小さい会社の人と友達になれた事だ。
もちろんTwitterも似たようなプラットフォームではあるが、俺の場合Facebookがそれであった。
ソーシャルメディアやそれに携わるイベントを通して同じような境遇の、かつノリがあう仲間が見つかるのはでかい。
仲間にも二種類ある。
一つは同じ物作りができる人達だ。
自分はプログラマーでもあるので、同じプログラマーの友達と出会うと刺激し合う関係になり、
いい物が早く作れる。
また、自分には持っていない能力を持つデザイナーやコーダーとは協業しようしてちょっとした何か作る運びになり、
一人ではできない物が作れる。
もう一種類の仲間は、物を作っている俺らをビジネスのフィールドに立たせてくれる
お兄さん的役割の人だ。
向こうから企画を持ち込んでくれる場合もあるし、
こちらから「こういうのがやりたい」と言ってノってもらうのもあり得る。
そういう人はお金の扱いとマーケティング調査の能力に優れている必要がある。
また、人脈も必要かもしれない。
「こんな仲間が欲しい」と理想を言っているようだが、
これは、個人的には見つかりつつある事実だ。
チームを組む
仲間が集まるとお金が絡むかどうかは置いておき「こんなことやりたい」というのがでてくる。
誰と「こんなこと」をやりたいかを優先的に考えつつ、
達成するための能力の最低限を満たすようにチームを組もう。
チームを組む時の始め方として、顔合わせ的なリアルの打ち合わせから始めるケースもあるだろうが、
オンラインのグルーピングツールも使えるだろう。
Google GroupsやSkypeのグループチャット、その他プロジェクトマネージメントサービスなどである。
チームの人数はあまり大きすぎない方がいい。
もちろん作る物のボリュームによるが、コアなメンバーは5人前後がいいだろう。
その時にお金が絡む場合であると、上記した物作りな人とお金を持ってくる人と二種類の人が混在する可能性があるが、コアなグループならばむしろ一緒の方がいいかもしれない。
後々制作に入ったら制作チームを別途作成する。
重要なことだが、作られたチームは「こんなことやりたい」が達成できた時点で、
解散する。
プロジェクト思考で作る
チームの「こんなことやりたい」というのは大抵具体的にはなっていない。
それを闇雲に作っていくのではなく、ちゃんとした手順を踏んで具現化していく。
「手順」についていいお手本がある。
東大MOTの宮田秀明氏が提唱する「プロジェクト思考」である。
著書「仕事のやり方間違えてます」では自身のヨットレースの経験談を交え、
以下の「想像のプロセス」と呼ぶスパイラルを回してプロジェクトを回していくと、
最高の仕事ができると述べる。
- ビジョン - 大きくて単純明快な目標
- コンセプト - 基本概念
- モデル - コンセプトを実現するための仕組み
- デザイン/ソリューション - モデルを具現化する
- 意志決定/テスト - 確認
- 実行
実は今まで書いてきた、好きな人と仕事をすることやチーム組むこともプロジェクト思考の考え方だ。
また、プロジェクト思考以外にも「デザイン思考」が役に立つ。
「デザイン思考の道具箱」という書籍を書いた奥出直人教授は俺の大学時代の恩師であり、
実のところこの本の題材になっているのは俺が彼の研究室で実践していたことのまとめとも言える。
プロトタイプ主義
我々は物を比較的早く作る能力と環境を持っているのであるから、作ってみることは有効だ。
とりわけアプリケーションという視点に立てば、今は様々なライブラリやフレームワークが便利に提供されているので、
それらを組み合わせてプロトタイプを作ることが容易である。
作った物をそのまま運用させるかは置いておき、
とにかく動く物、触れる物を作って検証することを優先しよう。
俺の場合何か作ってみて、面白くないからという理由や、実現できないからという理由で、
ボツにするケースが多い。
ということはそれだけ駄目なケースがあるわけなので、グダグダ言う前にさっさと作ってボツにした方が、
効率がいいわけだ。
また、プロトタイプというわけではないが、
個人が似たような発想で作った物がビジネスにできるという理由でプロジェクトになる経緯もある。
動く物がもうあるわけだから話が早い。
リリースする
プロジェクト思考、プロトタイプ主義で作った物をリリースしよう。
実のところ、運用も絡んだリリースについて俺が強く言えることはあまりない。
特に多少なりともでかいアプリケーションとなると運用のコストがかかるので、
チームがそれで手一杯になってしまう可能性がある。
手離れのいい形で運用会社に任せるか、金額的にも人的にも低コストの運用方法を見つけるのが、
策だろうか。
実践すること、共有するための場所を作ること
今まで述べた仮説を実践していこうと思う。
もしくはもうすでに、イベントなど単発的なものならば実践をしてきた。
ただ、俺の希望は個人でこれを実践することだけにとどまらない。
こうしたソーシャルな時代におけるプロジェクト思考の物作りのやり方を共有し、
仲間探しができる「場所」を作りたいと思っている。
それが「新しいモノ作りについて飲むぞ」という集まりだったのだし、
このエントリーを書いている意味でもある。
「場所を作る」だってプロジェクトだ。そのためのチームも徐々に整えようとしているし、
どういうプロジェクトかを説明するための名前もつけようとしている。
また、とある形でやり方をまとめていく可能性がある。
最初は少数精鋭でプロジェクトの成功事例を作るのが優先であるが、
もし興味のある人がいたら、
各々の「やり方」を共有するような勉強会などをやろうとも思っている。
賛同していただける方がいれば、TwitterなりFacebookで連絡をいただけると嬉しい。
コミュニケーションの場でも作ろうと思う。
参考文献